心の主権者
「ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。主権はその肩にあり、その名は『不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君』と呼ばれる。その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これをささえる。今より、とこしえまで。万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。」(イザヤ書9:6ー7)
2000年前に王様がお生まれになりました。その王国は2000年も続いて、今も広がりを見せています。その領域は全世界にわたっていますが、その王座はどこかの主都ではなく、人々の心の中にあります。だからといって、その王国が見えないものではありません。その王様の支配は真理の御言葉に従う人々の毎日の生活の中に現れています。彼らはその王様から不思議な導きやアドバイスを頂いて、またその助言に素直に従う力も頂きます。その国の王様は主権のもとにある人々をご自分の子供と呼んで、彼らを父親の優しさで導くだけではなく、彼らに永遠に生きる不死の命を授けて下さいます。ですから、王様に従う時に命かけで危険な場面にも行く事ができます。どんな環境や状態の中にも王様はその家来に平安を与えて下さいます。この「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる王様の別名はイエス・キリストです。
「イエス様はダビデの王座に着いておられます。」その意味が分かるために、イスラエルの歴史を少し思い起こす必要があります。ダビデ王の前にサウロと言う王があって、神様のみ言葉に逆らって、神様は王座をサウロから取り除く事をお決めになりました。そしてサムエルと言う預言者が羊飼いをしていた若いダビデを油注ぎの儀式で神様からの選びの王様に任命しました。しかし実際に国を治めつづけたのはサウロ王でした。サウロ王はダビデに対して激しい怒りを注いで、あらゆる手段で逃げていたダビデを探し出して、殺そうとしました。ダビデはクリスマス物語に出るベツレヘムの近くの山地に逃げて、アドラムと言うほら穴をその拠点にしました。そして「彼の兄弟たちや、彼の父の家のみなの者が、ダビデのところに下って来た。また、困窮している者、負債のある者、不満のある者たちもみな、彼のところに集まって来たので、ダビデは彼らの長となった。こうして、約四百人の者が彼とともにいるようになった。」(1サムエル記22:1,2)
ダビデの所に集まった人々は色々の意味で社会の落ちこぼれ、借金だらけの人々や不満に満ちていた人々でした。しかしそのような人に対してダビデの言葉は「私といっしょにいなさい。恐れることはない。私のいのちをねらう者は、あなたのいのちをねらう。しかし私といっしょにいれば、あなたは安全だ」と言うものでした。(Tサムエル記22:23)
ダビデのこのような愛と配慮は彼らを素晴らしい勇士に造り替えました。とうとうダビデの愛によって変えられた人々は言葉一つでダビデに命がけで従う者になりました。やがてサウロ王は滅んで、ダビデは正式的にもイスラエルの王様に選ばれました。
地上では主イエス・キリスト様の支配は今アドラムのほら穴でダビデが実施した主権と同じような段階に見えます。あらゆる罪人、不満を持つ人、借金だらけの人々などがイエス様の十字架の愛のゆえに罪が赦され、新しい心を頂いて、自発的にイエス様の真実と恵みによる支配に自分自身を任せて、キリストに従っていきます。しかし、ダビデが目に見える王座を得たようにイエス・キリスト様もその再臨の時に見える形で全世界と全人類(死んだ人々も含めて)を支配する国を設けます。「その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これをささえる」と言う約束の通りです。
サウロ王支配の最後の時期はイスラエルにとってとてもひどくて破壊的なものでした。それと同じように現代の社会にも乱れが進み、暗闇の力が増えるように見えても、それは決して最後ではありません。イエス・キリスト様の正義と愛の新しい時代が近づいている証拠です。ですからキリスト様に支配されている人々は、平和の君の安全なところにおかれています。御使い達の「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように」と言うクリスマス歌が実現する日が近づいています。「万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。」
あなたはもうすでにイエス・キリスト様に支配されているでしょうか。アドラムのほら穴のような連中が集まる教会では、あなたのためにもイエス・キリスト様の支配権に預かる道が提供されています。それはありのままに主イエス様の御前で罪を認めて、イエス様の身代わりとしての十字架の苦しみのゆえにそれを赦して頂いて、永遠の命のプレゼントを頂いて、イエス様を心の王座に迎えることです。それこそ本当のクリスマスです。
イエス様はご自分の誕生について語られた言葉:
「わたしが王です。わたしは、真理のあかしをするために生まれ、このことのために世に来たのです。真理に属する者はみな、わたしの声に聞き従います。」 (ヨハネ18:37)
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